【海外サッカー】インテルの14連勝と再び起きた頭突き騒動

 前半早々にサンプドリアのデルベッキオがレッドカードを受けて退場し、数的優位になったインテルが0-2で勝利し、リーグ戦連勝記録を14まで伸ばしました。得点者はイブラヒモビッチとマイコン。マイコンはインテル移籍後初ゴール。

 デルベッキオが受けたレッドカードについて。この試合をご覧になってない方で、これまでネット上に流れた文字情報だけを頼りに話を整理すると、おそらく「マテラッツィの挑発に乗ったデルベッキオが頭突きをかましたから」と結論づけられるかもしれませんが、真相はもう少し複雑だったりします。

 前半6分、ゴール前に上がったクロスに対し、インテルのGKジュリオ・セーザルがスタンディングのままセーブした。そこへクロスに詰めていたデルベッキオが完全なアフターでジュリオ・セーザルの左足下を蹴りつけた。主審はここで笛を鳴らしデルベッキオのファールを取る(当然の判定)。しかしこのプレーに対し激高したマテラッツィがデルベッキオの元へ詰め寄り鬼の形相で何か一言、二言発した瞬間、デルベッキオがマテラッツィの顎めがけて頭突きをお見舞いし、それがマテラッツィの口元にヒットし顔面を押さえながら後ろ向きに倒れたのだった。双方のチーム、主審が入り乱れる中、デルベッキオにレッドカードが出され、マテラッツィにはイエローカードが出された。

 前半早々にレッドカードという処分はいささか気の毒な感もしますが、今回の件に関してはデルベッキオが100%悪い。更にマテラッツィを弁護するなら、先週行われたコッパイタリアでの同一カードにおいて、試合後にサンプドリアの選手が「もっと(荒っぽく)削れば良かった」とコメントしていたのに腹を立てていたらしく、アドリアーノやジュリオ・セーザルへのラフプレーで少々自制心を失っていたようだった。そういう観点から言えば仲間を守ったマテはイエローカードの貰い損に見えますが、一歩間違えばマテも退場していたかもしれない事を思えば、少々のことでは事を荒げない精神鍛錬が必要な気もします。

 数的優位になった後、インテルは逆にサンプドリアの攻勢に手を焼く事となった。特に縦横無尽に動き回り、随所でファールを誘うフラーキの存在が厄介だったように感じました。そしてそのフラーキの巧みな演技によってCBのもう一枚であるブルディッソまでもが前半20分にイエローカードを受けてしまった。余談になりますが、フラーキはイタリアでも有数の被ファール名人(悪い表現をするならばダイバー)だと私は認識しています。他にはトッティ、ネドベド、インテルで言えばクルスなどが“名人級”の域に達しているんではないでしょうか。とにかく、このフラーキは数的不利を打開するため、孤軍奮闘してインテル守備陣に別の意味での脅威を与え続けていたのでした。

 インテルが苦戦した別の理由として、GKジュリオ・セーザルは「(相手が10人になった事による)システム変更がフィットしなかった」と試合後にコメントしていましたが、中盤から前線へのパスを供給する際にミスやインターセプトでボールを奪われ、守備体型が整う前にカウンターを受けていたのが最大の要因だったように思えます。特にミスが目立っていたのがビエイラとマックスウェル。彼ら2人の調子が悪かったと言うより、サンプドリアに上手く守られていた(読まれていた)事が遠因にあったのかもしれません。

 とは言え、前半のうちにインテルが先制する。前半38分、左サイドをえぐってきたサネッティがふわりと逆サイドへクロスを上げると、イブラヒモビッチがジャンピングボレーを試みて空振りしてしまう。しかしそのこぼれ球を拾ったマイコンが右サイドから再びクロスを供給すると、今度はヘディングでイブラヒモビッチが相手ゴールへと叩き込んだのでした。その際、ファルコーネの側頭部もろともヘディングしていた為、ゴール後に頭を抱えてうずくまるイブラ。これでイブラのファールを取られて先制点が無効とされていたら踏んだり蹴ったりだったでしょう。

 後半に入りメンバー交代をするインテルは、スタンコビッチに代えてフィーゴを投入。試合後のマンチーニの談によれば、当初から計画されていた交代だったらしい。試合前にもフィーゴかスタンコビッチのどちらを起用するか迷ったらしく、よりフレッシュなスタンコビッチを選択した事を明らかにしていました。フィーゴ投入によりボールポゼッションで圧倒するようになりましたが、完全には崩しきれず、攻めあぐねているように見えました。

 インテル最大のピンチは後半10分。サンプドリア右サイドに出されたスルーパスにマッジオが飛び出し、加速を付けてインテルゴール前へと迫ってきた。マックスウェルは懸命に競り合いに行くものの、やや遅れ気味にカバーに入りペナルティエリア内でマッジオを手で薙ぎ払ったかのように見えた。マッジオのシミュレーションかPKか微妙なジャッジに思われたが、主審はマックスウェルのファールを取り、ペナルティエリアのすぐ外からのサンプドリア側FKという玉虫色の裁定を下したのだった。このFKはゴールの枠を大きく逸れていったものの、一連の流れからさすがにヒヤリとさせられたシーンでした。

 その後ようやくサンプドリアの運動量が落ちてきて、両サイドから何度もチャンスを演出するインテル。待望の追加点は後半30分、中にカットインしてきたマイコンが右サイドに開いていたイブラヒモビッチにスルーパスを通し、イブラは前に持ち出しそのまま中央へと折り返すと、再びマイコンが左足のインサイドキックで綺麗に合わせてゴールを陥れた。ファーサイドでクレスポもフリーでしたが、もしクレスポがゴールしていたらオフサイドでノーゴールの判定だったでしょう。それよりパスアンドゴーでゴール前にタイミング良く飛びだしてきたマイコンを誉めるべきか。クレスポはこのシーン以外にも惜しいチャンス(オフサイドぎりぎりで飛びだすも判定は無情だった)があったんですが、少し結果を急いでいるような印象があり、好調インテルの不安材料になりつつあるのが心配です。

 0-2としてほぼ勝利を手中に収めたインテルでしたが、マンチーニは守備に若干不安を抱えるマックスウェルを下げてコルドバを投入、CBのブルディッソを左サイドバックに回すという盤石の采配を見せる。そしてそのままインテルが勝利する。

 試合後にサンプドリアのノベッリーノ監督が語っていたように、11人対11人だったらこのゲームはどうなっていたか分からなかったように思います。ただしそれはインテルサイドにも言えるわけで、数の上で同数だったら慢心する事無く、ひたすら勝利に向かってゲームに集中していたであろうに、相手が10人になって少し油断してしまった事がゲームを難しくしてしまったのかもしれません。サッカーに於いては何が災いし、何が幸いとなるかは分からない。そこがまたサッカーの面白さ、奥深さなんですけどね。水曜日にはサンプをホームのジュゼッペメアッツァに迎えて再々度対戦。コッパイタリア決勝行きがかかった大事なゲームですが、私の心はカンピオナートの次節、首位攻防戦となるローマ戦にあります。どちらの試合も結果を畏れず、慢心せず、白熱したゲームを期待しています。


関連リンク


スポーツナビ インテルのマンチーニ監督「リーグ戦はまだ終わってはいない」
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Goal.com マイコンを評価するジュリオ・セーザル「強力な選手だ」
スポーツ報知 マテラッツィまた頭突き食らった…イタリア・セリエA
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